きのあ将棋の「揖斐才蔵(中級)」に後手番で挑戦しました。
きのあ将棋との相居飛車は苦手なので、郷谷さんの次に苦手な相手かもしれません。
先手番の時は相手のミスでの逆転勝ちだったので、今度こそちゃんと勝ち切りたいですね。
まぁタイトルでネタバレしてますが、今回は相手のミスもあり大差での快勝でした。
局後のAperyの検討ではけっこう難しい所もあったんですが、そうならなかったので助かりましたね。
あんまり参考にならない対局かもしれませんが、めずらしい大差での圧勝劇をご覧ください。
一手損角換わりで苦手な▲4五桂急戦をやられる

先手が「揖斐才蔵」、後手が「私」です。
上の図は、いつも通り私が横歩取りを避け、一手損角換わりにして相腰掛け銀模様に進んだ局面です。
まだまだ無難な駒組みが続くかと思っていたら、ここから仕掛けられます。
上図以下、▲4五桂(下図)
コンピューターが好きな▲4五桂急戦ですね。受け間違えると一気に大差で負けるのでいきなりドキドキの局面です。
とりあえず、前にAperyで研究した感じで進めてみます。
上図以下、△2二銀▲5八金△4四歩(下図)
これはミス?▲5八金と一手ゆるめたのであっさり△4四歩の桂得が確定しました。
ここは▲5八金じゃなく▲2四歩(下図)とされていたら難しい将棋でした。
上図以下、△2四同歩▲6六角△4四角▲2四飛△2三銀▲2九飛△2四歩(下図)
がAperyで検討した一例なんですが、こうなっていればまだまだ互角でしたね。
本譜は桂得できたのでちょっと後手に評価値が振れました。
先手に悪手が出て有利になる

桂得が確定した上図、ここから先手が強引に攻めてきます。
上図以下、▲5三桂成△同玉▲2九飛△3三銀▲4一角(下図)
▲5三桂成~▲4一角は後手の陣形を乱しつつ、金をもぎ取って荒らしていこうという感じの攻めですが、これは無理筋でした。
陣形が不安定なので油断すると危ないんですが、冷静に指せば後手が有利です。
上図以下、△5一金▲3二角成△同飛▲6六歩△2二飛(下図)
先手の無理筋からどうやって反撃しようか考えた結果、△2二飛の逆棒銀で飛車先を圧迫していく事にしました。
上図以下、▲7九玉△2四歩▲8三金△6二玉▲2四歩△同銀(下図)
▲8三金がちょっと嫌味な手、ほっといても危ないし、受けても邪魔くさい・・・
とりあえず玉で受けましたがあんまり駒を渡すと後で反撃が怖い拠点ができてますね。ここからゆっくり攻めていきます。
上図以下、▲8八玉△2五銀▲4九飛△2六銀▲4五歩△同歩(下図)
銀をじっくり進出していけばいいと思っていた所で予想外の反撃が・・・
この4筋からの反撃を軽視していました。これが意外とヤッカイで正しく受けるのは結構大変です。
ただ、実戦はなぜか▲7九飛(下図)と飛車がそっぽにいってしまったんですが、4筋から反撃されていたら難しかったです。
ここは▲7九飛じゃなく▲4四歩か▲5六銀だったらけっこう大変でした。
Aperyでの検討の結果、正しく受ければ後手有利なんですが、ちゃんと指せた自信はなかったのでやられたら危なかったですね。
とりあえず、この2つの例を示します。
まずは▲4四歩(下図)とされた場合から。
上図以下、△5二金▲5六銀△3七銀不成▲4五飛(下図)
と飛車を捌かれちょっと大変でした。ここから正しく受ける手順はこちらです。
上図以下、△4二歩▲2四歩△同飛▲2五歩△2二飛▲6八金右(下図)
ここで反撃の一手が出ます。
上図以下、△5三桂▲4七飛△2八角(下図)
△5三桂~△2八角で飛車を圧迫するのが正しい応手でした。この展開は読めてなかったです・・・
実戦でやられてたら危なかったですね・・・何か誤算があったのかこの手順じゃなく▲7九飛と逃げてくれて助かりました。
そしてもう1つ、どちらかといえばこうされてたら困っていた一手もあります。
それが▲5六銀(下図)です。
▲4四歩の垂らしよりもシンプルに4筋突破を狙われると、どう受けていいか分かりませんでした。Aperyの解答はこちらです。
上図以下、△3七銀不成▲4五飛△2八飛成▲6八金右△5四銀(下図)
強気に受ける△5四銀がなかなか指せない手かもしれません。
ここで▲4四飛と浮けば、△5三玉(下図)の顔面受けから飛車を捕獲できます。
上図以下、▲3四飛△3三歩▲3五飛△2三桂(下図)
で後手有利です。なので▲4四飛じゃなく▲4六飛(下図)と飛車を引くんですが・・・
上図以下、△6一角▲8四金△3三桂▲7四金△4五歩▲6四金(下図)
とお互いに我が道を行き、先手の攻めが成立するかという勝負になります。
上図以下、△4六歩▲5四金△5九飛▲5五銀△1九竜▲7九銀△5二香(下図)
これで後手の受けが成立し、後手勝勢になるみたいです。
この展開は読めなかったですね・・・私なら無理攻めを成立させて逆転されていたかもしれません。
きのあ将棋のミスに救われた形になりました。
ここから大差の快勝へ

上の図は、▲7九飛と4筋からの反撃を逃し、飛車を逃げた所です。
ここから大差の快勝に向かいます。
上図以下、△3七銀成▲4四歩△5二金▲4三歩成△同金▲5六銀(下図)
冷静に、じっくり受けつつ攻めていけばいいと思い、丁寧に指します。
上図以下、△3三桂▲3五歩△同歩▲6八金右△2八飛成▲3二歩(下図)
飛車を成り込んで好調ですが、この△3二歩をどうするかちょっと悩んじゃいました。丁寧に受け切るのがいいのか、攻めにいくのがいいのか・・・
今回はあんまり安全勝ちを狙っても逆転されると思い、踏み込んでいく事にしました。
上図以下、△5五歩▲6七銀△4六歩▲3一歩成△4七歩成▲7五歩△同歩▲2一と(下図)
ここでも心が弱い方に流れそうになりました・・・「と金を取った方が安全かな?」ってね、でもその逃げの誘惑に勝ち攻める事にしました。
上図以下、△4五桂▲5六歩△5七と▲1一と△7六桂(下図)
急所に「と金」と桂馬が入って寄せの流れができてきました。ここからじっくり攻略します。
上図以下、▲7六同銀右△同歩▲7五香△7七歩成▲同金右△7四歩(下図)
嫌味な香車を冷静に受けて万全ですね。
上図以下、▲4四歩△同金▲5四桂△同金▲5五歩△同金▲5六歩△同金▲4九飛△4六歩(下図)
最後の無理攻めに丁寧に対応し、ここで揖斐才蔵の投了となりました。
前の先手番の時からは考えられない大差での圧勝でしたね。こんな勝ち方もできるんだとちょっと感動ですよ。
ただ、ここからキレイに寄せてみろと言われると難しいので、局後にAperyで検討した寄せの手順を掲載します。
上図以下、▲7四香△同銀▲8四金△7六歩▲4八歩△7七歩成▲同金(下図)
となり、ここから気持ちいい一手があり、先手玉が一気に寄せられます、実戦の寄せとして考えてみてください。答えは数行下に載せます。
では答えです。
上図以下、△4八竜▲同飛△7九角(下図)
がAperyの示した寄せです。ここから詰みます。
△4八竜に▲7八歩と受ければ詰みませんが、△4九竜と飛車を取って勝ちです。
ここからはAperyが示した華麗な実戦詰将棋をお楽しみください。
△7九角に対し、大きく分けると2通りですね。▲9八玉か▲7九同玉か。
まずは▲9八玉(下図)から解説します。
上図以下、△8八金▲同飛△同角成▲同玉△7九銀(下図)
と指して詰みます。
上図以下、▲7九同玉△6八と▲同玉△5七角▲7八玉△6八飛▲7九玉△8八銀(下図)
までの詰みです。
なので▲9八玉と逃げず▲7九同玉(下図)と取るんですが・・・
上図以下、△6八銀▲同飛△同と▲同玉△7六桂(下図)
から詰みます。
上図以下、▲7六同金△6七銀▲7七玉△7八金(下図)
までの詰みです。
△4八竜からの詰み手順は見えませんでしたね。実戦だったらもっとのんびりした寄せになったと思います。
このくらいキレイに決められたら気持ちいいんでしょうけど、読みの深さが問われるのでまだまだ難しいですね。
とりあえず、勝ててよかったです、揖斐才蔵との後手番は苦戦すると思ってましたから。
難関クリアですね。
最後に
きのあ将棋の揖斐才蔵(中級)に大差で勝った一局でした。きのあ将棋との相居飛車はホント良い思い出がないのでドキドキした対局ですが、気持ちよく大差で勝ててよかったです。
毎回このくらい良い感じで勝てるといいんですけどね。
まぁ今回はたまたまミスがあったからこその大差だったので、次はミスの少ない将棋で勝ち切れたらいいなと思います。
でも、難関だと思っていた揖斐才蔵を1回でクリアできたのでちょっと自信がつきました。
残りのコンピューターとも後手番で良い感じに指せるように頑張ろうと思います。